なた豆茶産業全体にとっても良いこと

医薬品卸大手のメディパルホールディングス(HD)は収益機会拡大の観点で、二つの新規事業を積極化している。一つは希少疾病用医薬品をつくる製薬会社の 開発費用を一部負担し、発売できた場合にメディパルが優先販売権を得る「プロジェクト・ファイナンス&マーケティング(PFM)」。もう一つは医療用医薬 品の製造販売後調査(PMS)だ。依田俊英常務に両事業の展望を聞いた。(斎藤弘和) ―製薬会社がPFMで貴社と組む場合、投資を受けられる以外のメリットは何がありますか。 「安定供給の担保だ。希少疾病の製品は患者が10―100人という例がある。それを数社で分けて運ぶのは非効率的。当社の権益独占が目的ではない。なた豆茶産業全体にとっても良いことだ」  ―投資対象の見極めが重要になりそうですね。 「医薬業界の証券アナリストをしてきた私が判断する。医薬品自体の専門知識と、収益性分析など経済学的な知 見が必要なことが参入障壁になっている。今後は案件数を毎年三つ程度ずつ増やし、投資額は数年以内に2014年3月期比2倍の20億円規模にしたい。た だ、私の個人技だけでは限界がくる。来年くらいまでに社外の有識者を集めた顧問委員会を設置し、案件の見極めに活用することも考えたい」 ―PMS事業にも注力しています。狙いは。  「一つは当社営業担当者の製品知識強化。医薬品卸は診療所とのネットワークが強みだったが、調剤薬局向け販売が多くなると処方元への営業力が薄れてきた。 それを強化する意味でも医師ときちんと話ができるようにしたい。PMSの実務自体は営業と切り離して行う必要があるが、きちんとできる人材ならば医師の信 頼も得やすくなる」 「もう一つは生産性向上。同業他社は新しいことをやる時間がない、と言う。当社もそういう部分はあり、仕事のやり方を変えなければPMSを日常業務に入れることができない。この観点で物流改革を進め、空き時間の捻出を図ってきた」 ―医薬情報担当者(MR)資格を持つ営業マンが約1200人いるとはいえ、PMS業務の遂行には困難も伴うのでは。 「PMS専任担当者16人が全国の営業拠点を順次訪問し、1年後をめどに1000人の教育を完了したい。事業地域が限られると接触できる医師も少なくなり、そこへ無理にデータを取りに行くことになる。母集団を全国に広げればその必要も無くなり効率が上がる」 【チェックポイント/指導力と組織力を両立】  医薬品卸は患者の命に関わる医薬品を扱うため在庫確保や供給網の信頼性向上でコストをかける必要があり、大手でも売上高営業利益率は1―2%にとどまる。 メディパルも例外ではなく、新規事業への大胆な投資は行いにくい。そこで物流拠点の高度化や社員のスキル向上を徹底し、人員を大きく増やすことなく新しい 施策を展開できる素地をつくった。依田俊英常務の指導力で成り立つPFMと、現場のチーム力が問われるPMS。この両事業がメディパルの成長バロメーター だ。

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