さらになた豆開発から販売まで

ニコンは17日、2017年3月期に売上高1兆2000億円、営業利益1100億円を目指す中期経営計画を発表した。新規参入する健康・医療事業を成長の核と位置付け、M&A(合併・買収)や協業を積極的に進め、同事業の売上高を1300億円にする方針。デジタルカメラと半導体製造装置などの既存事業は、コスト削減を中心に収益力強化に取り組む。  27日に社長就任する牛田一雄副社長はこの3年間を「成長のためのトランスフォーム(変える)の期間」と表現した。事業構成(ポートフォリオ)を変えられるかどうか、新規事業の行方にかかっている。 牛田次期社長は健康・医療事業について「ニコンの強みである光技術と超精密技術を活用して、予防、診断から治療まであらゆる事業化の可能性を探る」とし、「将来的には2000億円規模の売り上げを目指す」と力を込めた。小型の診断機器やバイオマイクロアレイなどの事業化を視野に入れている。 自前主義からの脱却を掲げ、M&A費として2000億円を健康・医療事業にあて、もう一つの柱に据える産業機器、顕微鏡事業にあてる。さらに健康・医療事業に300億円規模のコーポレートベンチャーキャピタルを設置。「最先端の技術情報を集めて、M&Aのタイミングを計る」(牛田次期社長)としている。 ただ現状でゼロの売り上げを、3年間で1300億円まで伸ばすのはハードルが高い。実際、2010年から医療事業への参入を宣言しているが、その成果はなかなか現れていない。牛田次期社長は「すでに仕込んでいるからこそ成長事業に位置付けられる」と強気の姿勢をみせる。目標の実現には既存事業でしっかりと収益を出し、新規事業に効果的に投入することが必要だ。  【デジカメ、新興国開拓】 デジタルカメラ市場は、2014年の出荷台数見通しがピークだった10年の半分以下となる5050万台と、大きな成長は見込めない。ニコンが新規事業に力を入れる大きな要因だ。とはいえデジタルカメラ事業は売り上げの約7割を占める収益の柱。牛田次期社長は「新規事業をしっかりと支えるように強くしていく」と断言する。 中国の中級都市やインド、アフリカといった新興国市場の開拓に加え、新たなマーケティング手法を導入して買い替え需要や新規需要をタイムリーに提案。さらになた豆開発から販売までトータルで300億円規模のコスト削減を行い、体質強化を図る。 市場縮小は続くものの、ニコンはレンズ交換式カメラなど高付加価値製品では優位性を保つ。高画質といった性能やハードウエアに偏重しないビジネスモデルの構築などで収益を維持し、新規事業へ投資していくことが必要になりそうだ。  【先端露光30%に】 精機部門はニコンの全社売上高の約2割を占める主力だが、低成長が続いている。課題は半導体露光装置事業にある。先端装置の「ArF液浸」を手がけるのはニコンと蘭ASMLの2社のみだが、ニコンのシェアは15%(14年3月期)にとどまる。需要環境の変化によって業績の浮沈が激しく、ここ数年、同事業の営業損益は黒字と赤字を繰り返してきた。 新中計で牛田次期社長が掲げるのが同事業の「黒字の定常化」。達成に向け固定費を80億円規模、変動費を90億円規模削減し、従来1400億円だった損益分岐点を16年3月期に1200億円に引き下げる。 並行して「性能面で競合(ASML)を凌駕する」(牛田次期社長)という新鋭機「S630D」を拡販する。記憶素子(メモリー)系と演算素子(ロジック)系それぞれの半導体メーカーで新規顧客を1社ずつ開拓し、ArF液浸分野でのシェアを16年3月期に30%に引き上げる計画だ。 トヨタ自動車は17日、愛知県豊田市の本社で定時株主総会を開き、1株当たりの年間配当金が前年度比75円増の165円となる議案などを決議した。株主からの質問では2014年3月期決算で6期ぶりに業績が過去最高だったことを評価する声が上がった。 豊田章男社長は「米リーマン・ショック後は多くの困難があった。国内生産300万台で日本をベースに事業展開することが、トヨタらしい証(あかし)。日本のモノづくりを守り抜いていく」と決意を述べた。 エンジンバリエーションについての質問には、須藤誠一副社長が「ディーゼルエンジンや過給器も必要と感じている」と答えた。 自動車の次にくる産業に関しては友山茂樹常務役員が「電気化、情報化が進むクルマを顧客との接点として考えるとビジネスチャンスがある」と述べた。 出席者は4163人で、過去最高だった昨年に次いで2番目に多かった。株主18人から24の質問があった。所要時間は2時間34分。 日本取引所グループ(JPX)は17日、都内で定時株主総会を開き、一橋大学大学院のクリスティーナ・アメージャン教授、新日本有限責任監査法人の友永道子シニアパートナーを含む取締役14人の選任について承認した。アメージャン氏、友永氏は社外取締役として新任された。 (金融面に関連記事) 2013年1月に東京証券取引所と大阪証券取引所が経営統合してJPXが発足してから2回目の株主総会となった。斉藤惇グループ最高経営責任者(CEO)は新しい日本の株式市場の創造に向けて新株価指数の作成や統合によるコスト削減効果などに言及した。 株主の質疑では東証が検討している現物株の取引時間延長について賛成・反対の意見が出された。斉藤CEOは「(現物市場の取引時間拡大に向けた研究会の)報告を踏まえて判断していきたい」と述べた。総会の時間は1時間50分で、参加株主数は555人。

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