リラックス効果や睡眠不調の緩和に用いてきた香気成分

資生堂はリラックス効果や睡眠不調の緩和に用いてきた香気成分に加えて、ツバキの花の香気成分を配合し、疲労時に落ち着きやくつろぎを感じる香りを新たに開発した。東日本大震災の被災地の気分や睡眠の不調を感じる30人を対象に、新しい香りを配合した化粧水状の試作品を就寝前に2週間使用したところ、気分や睡眠の不調に関する自覚症状が有意に緩和することを確認した。今後、商品への応用研究を推進する。 同社は30年以上にわたり、香りの生理・心理効果である「アロマコロジー」の研究を通じ、香りには気分をリラックスさせ、ストレスをやわらげるなどの効用があることを見いだしている。 今回、アロマコロジー技術を生かし、落ち着きやくつろぎを感じる香りを調整し気分や睡眠の不調を感じている被災者の協力を得て、試験を行った。結果、気分や感情の状態が有意に緩和し、睡眠全体や夜間睡眠状態、起床時の気分や体調のいずれにおいても良いスコアを出した。 ツバキは同社のシンボルマークであり、岩手県大船渡市、同陸前高田市の市の花でもある。同社は両市を復興支援活動の重点エリアと位置付け、活動を行っている。 トーア紡コーポレーションはベトナムの出資会社を通じてベトナムでのウール織物の生産を現状比5倍増やす。他の出資会社らと共同で約3億円を投じ、染色設備や紡績設備を増強。現状5%未満である衣料事業に占めるベトナム生産の割合を、2014年度内に2割程度まで伸ばす。衣料の海外生産はほとんど中国で行っているが、『チャイナプラスワン戦略』の一環でベトナムの比重を高める。 トーア紡グループで衣料事業を担う東亜紡織(大阪市中央区)が主体となって、ベトナムへの生産移管を進める。製造設備を増強するのは、ベトナム現地企業などとの合弁会社、ドンナムウーレンテキスタイル(ナムディン省)。東亜紡織の出資比率は現状10%未満になるが、14年度内に20―30%に増やして影響力を高める。 従来は中国子会社で染色した糸をベトナムの出資会社に送り、織物に仕上げていたが、ベトナムに染色設備を導入して一貫生産体制を整える。リードタイムの短縮、コスト競争力の向上につなげる。 ベトナムの製造拠点はリスクヘッジ拠点として活用すると同時に、欧米市場の攻略拠点としても活用する。現状はポリエステルレーヨン、綿ポリエステルなどの生地を生産している。今後はスーツやスラックスなどのウール織物生産を強化する。 東亜紡織は日系アパレルメーカーへの供給を主体にするが、ベトナム拠点を足がかりに、現地の縫製工場と組んで欧米アパレルメーカーを攻略したい考え。ベトナムはウールの非消費地で、ウール織物工場が少数しかないため、希少性を生かして売り込む。 【上海=村上毅】神戸製鋼所は2014度に中国事業の売上高を前期比1割増の2000億円超に引き上げる。主力の建設機械を伸ばすほか、自動車サスペンション用のアルミニウム鍛造部品の生産レベルをピーク水準まで高める。自動車向け素材を成長戦略の柱とし、「鉄とアルミと溶接材料の“3点セット”を一体で提案したい」(堀田学神鋼投資総経理)としている。 神戸製鋼所は鉄や溶接材料、アルミ・銅、機械、エンジニアリング、建設機械などほぼ全部門が中国に進出し、中国15都市36拠点に展開している。現地従業員は約4300人。13年度の中国売上高は約1900億円で、全売上高の約1割を占める。11年に設立した神鋼投資がグループ会社の統括や資金調達、人事、IT支援などの本社機能を担うほか、各事業部門と連携した営業提案をしている。 14年度は約8割を占める建機が前期比10%増を計画する。その他部門も自動車向けが好調で、各拠点の1―6月生産量は懸架バネ用・ボルト・ナット用ワイヤなどの線材が前期比5―40%増、溶接材料が同20%増、銅板条が同30%増と伸長した。 特にアルミサスペンション部品は独BMWなど欧米メーカーへの拡販が進み、足元の生産量が月20万本と能力上限の25万本近くまで生産水準が高まっている。 《資源循環へのパラダイムシフト》 【産業環境管理協会資源・リサイクル促進センター所長 名木稔】 「廃棄物・リサイクルは、もはや経営課題でない」と言われて久しい。しかし、本当に過去の課題なのだろうか。廃棄物処理のニュアンスが強く残る「リサイクル」を、天然資源のライフサイクルマネジメントの意味合いが濃い「資源循環」に置き換えてみる。その上で資源を巡る話題を眺めるとさまざまな課題が浮かび上がり、「資源循環」は経営として無視できない問題であることが明確になる。 課題の一つは右肩上がりを強める資源価格だ。価格上昇分を転嫁できない企業は、たちまち淘汰(とうた)される。そうした中で日頃の転嫁の努力も大事であるが、経営は将来の価格上昇を想定してコスト負担を事前に評価し、資源消費の削減と代替が可能なリサイクル材の開発に取り組むことが重要だ。また自社内にとどまらず、サプライチェーン全体でマテリアルフローを把握。自社製品の調達、代替、削減、リサイクルの動向への目配りも必要となる。 資源の国外流出も課題といえる。資源価格が上昇すると廃製品のリサイクルに大きなメリットが生まれる。この結果、国外に流出していた廃製品のリサイクルが国内でも成立するようになるはずだ。しかし、現実には廃製品の海外流出に歯止めがかからない。阻止するには中長期的な資源価格の上昇をビジネスチャンスと捉え、廃製品リサイクルへの戦略的な設備投資、技術開発、回収システムの構築などを行うべきだ。 限られた資源を持続可能な方法で使用する「資源効率化」の海外動向も課題として浮上する。2010年に採択された欧州連合(EU)の成長戦略「ヨーロッパ2020」の主要施策に「リソース エフィシェント ヨーロッパ(資源効率化政策)」が打ち出され、そのロードマップが11年に公表された。12年にドイツ政府も「資源効率化プログラム」を決定し、EU環境庁は14年度の環境政策で「資源のより効率的な使用」に重点を置くと表明。EUのウェブサイトには、欧州が資源を他地域に依存している現状を直視し「1次産品の希少性と価格変動は世界の多くの地域に不安定化をもたらす。それ故に私たちはグローバルに考えなければならない」とある。 この問題はむしろ日本の方が切実だろう。わが国の企業も資源リスクへの感度を高め、資源効率化の考え方を経営に採り入れることによって国際競争力をさらに高めるべきだ。具体策として設計・生産段階での希少資源の使用削減、省資源設計、易リサイクル設計の強化、リサイクル材や再生可能資源(バイオプラなど)の使用が挙げられる。また、廃棄段階での自社製品回収・リサイクルについて数値目標やロードマップの設定と推進が求められる。(木曜日に掲載)

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